八王子神社
野底山を護る山の神様が祀られている神社です。
こんもりと茂る静かな森の中に、落ち着いた姿のお宮が佇んでいます。
この神社の御神像は、山の奥の池の平の地から発掘されたヒノキの埋もれ木(紀元前300年ころから西暦90年ころのもの)が使われています。 春と秋、元旦には、地元の氏子のみなさんが集まって、祭祀が行われます。
お宮の脇には山から流れてきた水が集まり、小川となって流れています。 敷地内の池には、5~6月になると、モリアオガエルが周囲の枝にいくつかの卵塊を産み付けていくこともあります。
なぜこのあたりを八王子と呼ぶのかについては、下のような一つの言い伝えがあります。
元禄12年,隣村と野底山入会権(いりあいけん)をめぐって
山論となり、飯田藩主に訴えたが聞き入れられず、意を決して
江戸幕府への直訴を計画した村の人たちは代表のものを江戸へ
と向かわせた。
中山道を歩き、江戸も近い八王子の地に差し掛かった時、一行
の前に、老人が表れて直訴に必要な奉行の名前や、道順、作法
などを事細かに教えてくれた。一行が名を聞くと「八王子の名
もない者だよ。」と言い、姿を消してしまった。
教示されたとおりにすると、無事に直訴ができ、目的がかなえ
られた。そこで一行は、あの老人は山の神様の化身だったにち
がいないと、後に山の神様を祀るこの場所を八王子と呼ぶよう
になった。