地域の山を学ぼう

野底山森林公園は、野底山という奥深い山の入り口部分に作られた憩いの公園です。

そして公園を含め、その奥へと続く野底山は、地元上郷地区にとって、古くから生活の糧を得るための大切な山でした。

焚き物も、刈敷もいらない現代生活を送る今、地元の人々でさえも、なかなか山に入る機会は減ってしまいましたが、昨日は、今あらためて山を知り、山に学ぼうと意気込んでいる頼もしい来園者さんたちがやって来ました。

 

上郷小学校6年2組の皆さん。

 

昨年から担任の熊谷先生のもと、古代の人々の暮らしや野底山の森や川について学習を続けてきました。クラスの皆さんで検討を続けた結果、昔の人々の暮らしに欠かせなかった薪づくりに取り組んでみようと、昨日一日がかりで野底山での校外学習に取り組みました。

 

園に着いた皆さんは、野底山財産区の方々の先導で、野底山の奥地、池の平へ。古い樹木の残る池の平の自然を満喫、その後林間学校へ移動して、財産区の方から、山についての詳しいお話を聞きました。

 

 

一生懸命メモを取る皆さん。

真剣です。

 

質疑応答の時間にも、沢山の質問が飛びました。

和やかにお弁当を食べ終わったら、午後はいよいよ本日のメインイベント。

班ごとに分かれ、各班についてくださった財産区の指導者の方々に教えていただきながら、薪割り体験です。

 

薪割り体験

薪割りに使用するのは、間違って足に当たろうものなら大けが間違いなしの、大きく重い斧です。

まずはこの危険な道具の扱いから勉強です。

今の生活の中ではもうなかなか触れる機会のない道具ですが、こうやって道具の危険と良さを知る場はとても貴重です。

構え方、斧の振り下ろし方も指導者の皆さんが丁寧に教えてくれました。

ベテランたちの薪割りを見ていると簡単そうですが、実際にやってみると、同じようにはいきません。

木が倒れてしまったり、斧が台に食い込んでしまったり、バランスを崩して危うく斧を落としそうになったり。

 

始めの頃は、割れるたびに拍手と歓声が沸き起こります。

それでも時間をかけて何度も何度も挑戦するうちに皆だんだん要領をつかんでいき・・・

 

気が付くと、山のような量の薪が出来上がっていました。

 

財産区の議員さんを囲んで

 

薪割りですっかり疲れたかと思いきや、最後にまた財産区の議員さんを囲んで、もう一押し、質問攻め。

担任の先生によれば、これからこの薪をどのように利活用していくか、またクラスで話し合いを持ち決めるそうです。

昔の人々にならって、この薪でごちそうを作ってみるかな?

冬に暖を取るかな?

薪に火をつけたり、うまく焚くにもこれまたコツが要ります。次回は、また違った苦労が体験できそうですね。

 

こうやって山の懐に飛び込んで、体で山を感じていってくれる皆さんが増えるのはとても嬉しいことです。

そしてそんな子どもたちの心意気を、しっかり応援していこうという財産区の方々の意気込みにも圧倒された一日でした。 

 

使用した重い斧の束を背負って、事務所まで運んでくれる男子諸君。

ありがとう。

ご苦労さま。

(あれ、ちょっとよろめいてる?)